Report活動レポート
さまざまな文化が共存するアメリカでコミュニケーション方法を学ぶ
植原倫香 群馬県立女子大学
(国際コミュニケーション学部2年)
- 留学期間:
- 2011年8月~2011年9月(5週間)
- 留学先:
- アメリカ合衆国
サンノゼ州立大学
日本とは異なる授業風景や学生の積極的な姿勢に刺激を受ける
大学の夏季休業中、5週間という短い間ですが、アメリカのサンノゼ州立大学に短期留学をしてきました。私がこの大学を研修先に選んだ理由は主に2つあります。第一に、大学の授業を受けることができる点です。語学学校ではなく、アメリカの大学生活を実際に体験できることに魅力を感じました。もう一つの理由は、寮生活が経験できるという点です。私が今回の研修で学んだことを、学習、生活の面から報告したいと思います。
今回の研修で私が学びたいと思っていたのは、コミュニケーション、とくに「バーバルコミュニケーション」についてです。まず、授業を受ける中で、「授業というのは、教授と学生とのコミュニケーションによって成り立つものだ」と強く感じました。日本でもこの二者間の対話がないわけではありませんが、学生の発言の多さに驚きました。授業の中で少しでも疑問に思ったことがあればその場で尋ね、納得するまで質問するという姿勢が印象的でした。
授業の後に個人的に質問に行くのではなくその場で質問をすることで、コミュニケーションがとれてより良い授業になっていくのだと感じ、クラスを巻き込んでのディスカッションのような授業風景におもしろみを感じました。積極的に質問するという姿勢を身につけられたこと、大勢の人の前で発言する機会を得られたことは、将来の自分にとって必ず役立つことと思います。
さまざまな国の学生の姿を通してコミュニケーションの方法を学ぶ
研修中は4つの授業を聴講していましたが、とくに印象的だったのが「パブリックスピーキング」の授業でした。インド、ウクライナ、韓国、メキシコといったさまざまな国の学生が受講していたので、彼らとの交流を通じていろんな文化などを学ぶこともできました。
この授業で新鮮に感じたのが、さまざまな国籍の学生たちがネイティブの学生と同じようにクラスに溶け込んでいたということです。ネイティブではないことが理由で、彼らがクラスで目立つということはありませんでした。それは、彼らがクラスの中でうまくコミュニケーションをとっていたからです。彼らの様子を観察してみると、ただ黙って席に座ってノートをとるのではなく、ときにはうなずき、笑顔を見せ、必要であれば発言する…これが授業の中での彼らのコミュニケーションの方法でした。彼らの姿を通して学び、私自身も授業の中で少しずつコミュニケーションがとれるようになっていきました。
寮生活でアメリカを体感し、ルームメイトとも親交を深める
今回の研修では、寮生活を通してアメリカの文化に触れることもできました。日本では実家に暮らしている私にとっては、寮生活は憧れでもあり不安でもありました。しかし結果として、“アメリカ”を学ぶうえでとてもいい経験になりました。日本とは大きく異なる食堂、寮の部屋など、見るものすべてが新鮮でしたし、カリフォルニア出身のルームメイトとの生活も充実していました。
日本人同士でさえ同じ部屋で生活することは容易ではありませんから、当初はルームシェアが不安でしたが、彼女とは初日から意気投合することができました。「日本ではマグロは安いのか?」「アメリカで食べる寿司と日本の寿司は何が違うのか?」など、ちょっとしたことから深い話まで、夜遅くまで話し合うこともたびたびありました。この寮生活によって、本当に充実した毎日を送ることができ、初めて海外で親友と呼べる友だちができました。
大切なのは、相手のコミュニケーションの方法に合わせること
今回の留学を通して、「日本だろうと外国だろうと基本的なコミュニケーションの方法は変わらない。しかし、それでは足りない時はどうすればよいのか」ということについて考えました。
私が出した答えは、「その国(その場)のコミュニケーションの方法に合わせる」ということです。これは、海外に出たときにだけ使える技術ではありません。日本にいても、家族、友だち、学校、会社など、それぞれの場にあったコミュニケーションをとる力が必要になるのです。
将来、海外との窓口になるような仕事がしたいと思っている私にとって、今回の留学で学んだコミュニケーションの方法はとても印象的なものでした。今後は、どのような仕事に就くのであれ、世界の人々とコミュニケーションをとるシチュエーションがあると思います。そのときには、自分のやり方でコミュニケーションをとるのではなく、相手に合わせて対応することが大切だと思います。将来のために必要なスキルを学べたことに感謝し、この経験を今後に役立てていけるよう頑張りたいです。