Report活動レポート
新たな夢を発見した
中国留学
小川将史 群馬大学
(工学部3年)
- 留学期間:
- 2011年8月〜2012年7月
- 留学先:
- 中華人民共和国
大連理工大学国際文化交流学院
国籍も年齢もさまざまな人たちと共に学ぶ
私は中国・遼寧省大連市にある大連理工大学に交換留学生として派遣され、一年間の留学を経験してきました。現地では語学研修生という立場で、大連理工大学の国際文化交流学院で学んでいました。学部の本科生や修士の研究生になるために中国語を学ぶ人、私と同じように海外の大学から交換留学生として来ている人など、さまざまな目的のために集まった人たちと共に中国語の学習に励みました。
国籍もさまざまで、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏の人から、ヨーロッパ系、アラビア系、アフリカ系、ロシア系、そしてアジア系と、日本にいるときには知り合いになるようなことがなかった人たちと出会うことができました。また、学生たちの年齢も、下は16歳から上は60歳を超える人までいて、多種多様な人たちに囲まれた留学生活でした。
コミュニケーションツールは英語から中国語へ
私は留学するまでほとんど中国語の勉強をしていなかったため、初級からスタートしました。初級クラスは発音から練習するレベルで、他の学生も中国語が話せない人が大半でした。最初の頃は、違う国の人と話すときや先生に質問をするときには英語を使っていたので、中国語よりも英語の力がかなり伸びました。ただ、現地の日本人の友だちからは、「中国に来たのに英語を勉強しているの? 大丈夫?」と心配されていました。
最初の学期は「総合・リスニング・スピーキング・漢字」の4科目で、総合は毎日授業があり、単語や文法を中心に幅広く教えてもらいました。初めの頃は英語での授業でしたが、学生たちが慣れてくるにつれて基本的には中国語になり、次の学期になると授業は完全に中国語で行われるようになりました。学生たちも、初めは英語でコミュニケーションをとっていたのが、次第に中国語を使う人が多くなりました。
熱心な学生たちに刺激を受け勉強に励む日々
留学中に強く感じたのが、学生の勉強への熱意です。中国で学んでいる学生を見ると、日本にいる日本人の学生より熱心に勉強をしているように感じられました。毎日夜遅くまで教室に残っている姿を見ると、自分の甘さを痛感させられ、同時に彼らに負けたくないという気持ちも生まれました。
そんな思いで一生懸命に勉強しているうちに、中国語の力も伸びていき、今では英語よりも得意なくらいになりました。思い返せば、留学前に中国語の文法などの勉強はせず、英語を勉強して行ったことは正解でした。というのは、中国語の発音を基礎からしっかり学ぶことができ、英語を使う機会を持つこともできたからです。英語と同様に、たとえ単語や文法をたくさん知っていても、発音ができていなければ相手に理解してもらうことはできません。中国語を学び、このことに改めて気づかされました。
中国の大学院進学という新たな夢に向かう
最後に、私は中国を留学先に選んだことは正解だったと思っています。私は英語力に自信がなく、英語圏に留学できるお金もなかったのですが、それでも海外留学という経験がしたいと強く望んでいました。物価が安く英語力が必要ないということも中国を選んだ理由のひとつでしたが、今はそれ以上のメリットを感じています。
さまざまな経験を通して、勢いのある中国という国や国民性を肌で感じることができましたし、今後さらに役立つものになるであろう中国語を習得することができました。中国語を学ぶうえで、日本人の特権である「漢字の意味がわかる」というは大きな強みであり、他の国の人々に比べて日本人は中国語の上達スピードがとても速いと思います。私も一年間という短い期間でしたが、中国語を初級から始めて、かなりハイレベルなところまで到達することができました。
大学を卒業後は中国の大学の修士課程に進み、中国語をマスターするのと同時に、建設の分野の研究をしたいと考えています。とても貴重な留学経験ができたことをお世話になった方々に感謝し、これからも勉強に励んでいきたいと思います。