Report活動レポート

動物愛護の先進国イギリスで、
日本との違いに気づく

横坂実奈 高崎健康福祉大学
(薬学部2年生)

留学期間:
2017年2月26日~2017年4月2日
留学先:
International House London
Rose of York Language London

動物愛護の先進国イギリスで、日本との違いに気づく

語学学校での文化交流

語学学校では様々な出身国、年代の学生が集まっていました。英語を学びに来ている理由も多様であり、試験の対策、子供の英語教育やビジネスのためなど様々でしたが、皆英語を学びたいという強い気持ちをもって学んでいるため、常に質問が飛び交っていました。その環境に刺激を受け、わからないことがあったときにその場で自ら質問をすることができるようにもなりました。わからなかったことを理解したときや、伝えたいことを伝えることができたときの喜びにより、英語を学びたいという気持ちがさらに強くなりました。

また会話をしていると文化や習慣の違いを実感しました。ときには日本の文化や習慣に対して「なぜ?」と聞かれることもありました。質問されるまで気にも留めていなかったようなことを聞かれることがほとんどで、それを英語で説明することはとても難しく感じました。他国からの留学生との会話を通じて、日本のことについて知らないことがたくさんあることがわかりました。海外のことを知るだけではなく、日本についても知り、伝えられるようになるという新たな課題を見つけることができました。

日本との違いに気づく

私は動物愛護に興味があり、ボランティアに参加していたことがあります。イギリスは動物愛護の先進国とも言われており、ペットショップはほとんどなく、日本のように里親が見つからない犬猫の殺処分が行われていないということを耳にしたので、日本とはどう異なるのか興味を持ちました。今回私はイギリスに約20か所のリフォーミングセンターを持つ犬の保護団体である「Dogs Trust」を訪問しました。見学のアポイントを取るため連絡しましたが日程の都合が合わず、正式に見学をすることはできませんでしたが、里親探しをしている犬たちの様子をみることはできるため、訪問しました。

そこは日本の保健所とは全く異なる環境でした。広大なドッグランや「Dogs Trust」のオリジナルグッズ販売のお店やカフェがあり、そこには犬を連れた方がたくさんいました。また、しつけ教室も行っているようでした。私が訪れた「Dogs Trust West London」にいた犬種は日本ではほとんど見かけない種類の大型犬が多いように感じました。犬たちのいる部屋は広く清潔で、ガラスにはその部屋にいる犬に関する情報がかわいらしく掲示され、里親希望の方々に興味を持ってもらえるような工夫が見られました。

日本とは異なる点が多く、同様のことをすることは難しいと思いました。しかし、他の国の活動を知ることは今後日本での動物愛護活動の発展のきっかけとなる可能性があると思うため、「Dogs Trust」の活動のことを多くの人に知ってもらえるように、何らかの形で情報を発信していきたいです。他の国の活動を知ることで今後日本での動物愛護活動の発展の糸口になるように、ボランティア活動にも参加し続けていきたいと思いました。

挑戦から得られたもの

私は大学で薬学について学んでいます。過去に海外の薬剤師についても興味を持っていたため、日本とどのような違いがあるのかを見学したいと思っていました。ロンドンには薬局がたくさんあり、私が見た薬局すべてに処方箋カウンターがありました。薬局内にある処方箋を扱うカウンターで見学をさせてほしいというお願いをしてみました。しかし処方箋には個人情報が含まれているため、スタッフと薬剤師のみしか中に入ることはできないと言われました。

前に書いたDogs Trust と薬局どちらも正式に見学することができなかったことはとても残念でしたが、今回初めて英語でアポイントメントをとることに挑戦しました。依頼をするときにはどのような表現を用いるのかなど語学学校の先生にアドバイスをもらいながら文章を考えました。語学学校で友達と会話する時とは違った難しさと緊張感、知らなかった単語や表現を学ぶことができとても貴重な経験ができたと思います。

ゴールではなくツールとして

初めて、学校のプログラム以外での留学に挑戦し、今まで以上に大変なことも数多くありました。しかし個人での留学だったからこそ経験できたことがたくさんあったと思います。また、留学をしている日本人の方たちとの出会いから多くの刺激を受けました。目標に向かって前向きに努力している姿を見て、さらに自分も頑張りたいと思いました。

ゴールではなくツールとして

そして、英語を学ぶことが最終目的ではなく、英語をコミュニケーションツールとして用いることができるようになりたいです。今回関わった留学生のほとんどが日本に行ってみたいと話していました。もし彼らが日本に来て怪我や体調不良等で医療機関に行かねばならなくなった時に、薬剤師として少しでも不安を取り除くことができるようになりたいと思います。そのためにも常に学ぶ姿勢を忘れずに、そして日本のことを知り、相手の国のことを知り、文化や習慣等を尊重しあえるようになりたいです。