Report活動レポート

自分の課題と目標を見つけられたアイルランド留学

飯塚美沙 群馬県立女子大学
(国際コミュニケーション学部2年)

留学期間:
2017年8月29日~2018年2月16日
留学先:
アイルランド
ダブリンシティ大学

自分の課題と目標を見つけられたアイルランド留学

慣れ親しんだアイルランドへ再び

私は中学時代に約1年半の間、アイルランドへ留学していた経験があります。そのため、日本での英語の授業や外国人とコミュニケーションをとる際には苦労しないほどの英語力はすでに持っていました。しかし今の自分が持つ英語力では、将来の目標としている国際機関で働くことは困難であると考えたため、慣れ親しんだ土地であるアイルランドへふたたび留学することに決めました。

英語力の未熟さを思い知った現地での授業

約半年間の留学中には、苦労したことや楽しかったこと、新たな発見や興味を持ったことが多々ありました。学習面では、自分の持つ英語力の未熟さを思い知りました。留学する前から覚悟はしていましたが、大学の学部の授業は、やはり中学時代に留学していた時とは大きな違いがあることを実感しました。

現地の授業は、グループワークやプレゼンテーションを用いたものが多く、中でもグループワークは私の中で強く思い出に残っている事柄の一つです。それはIntercultural Communication(異文化コミュニケーション)に関する授業のグループワークで、アイルランド人の文化・習慣のなかで興味のあるトピックを選択し、アンケートを実施、その結果を踏まえてグループで1つのレポートを作成するという内容でした。グループのメンバーは教授によって無作為に振り分けられ、私は日本人・フランス人・ドイツ人で構成された6人組のグループに入りました。

授業時間中にはグループで作業する時間は与えられなかったため、授業以外で時間を見つけ、限られた時間のなかでアンケートやレポートを完成させなければなりませんでした。時間の制約や、異なるバックグラウンド・出身国で構成されたグループメンバー間でのコミュニケーションは思っていた以上に難しく、無事にグループワークが完成した際には今までに味わったことのない達成感がありました。

また、履修したすべでの授業でレポート課題がありましたが、その際に自分の持つ英語力の未熟さを痛感しました。高校や大学の授業の一環で英語の文章を作ることは日常茶飯事であったため、これまで苦労を感じたことはあまりありませんでした。しかし今回の留学で、今まで自分が書いていた英文は学術的なものとは程遠く、稚拙であり、海外の大学では通用しないものであることを学びました。

これを克服するために、留学生向けのハイレベルな英語を学ぶための授業を履修しながら、多くの文献や本を読み、少しでも学術的な文を書くように努めました。そのおかげもあってか、レポート課題が成績評価のほとんどを占める授業で良い成績を収めることができ、留学したことの成果を実感することができました。

留学を通じて見つけた研究テーマ

今回の留学中の授業や現地の学生たちとの交流を通して、“アイルランド語教育”に強い興味を持ちました。12世紀頃よりアイルランドがイングランドに植民地支配されていた歴史から、アイルランド人は強制的に英語を使用するようになり、母語であるはずのアイルランド語が次第に衰退していきました。

イングランドからの独立後、政府はアイルランド語の再興を目指して現在でも様々な試みを行っていますが、アイルランド語の定着には程遠く、日常会話でアイルランド語を使用するのは人口の約2%に留まっているのが現状です。国際化の進行や教育制度、アイルランド語が劣等者の言語だとして差別されたことなど、様々な要因が複雑に絡み合ったことで、自国にとって重要な文化の一部であるはずのアイルランド語が衰退してしまったことも学びました。

日本での残りの大学生活では、今後“アイルランド語教育”を自分の研究課題として掲げ、留学中に学んだことを生かしながら、ゼミなどでより深く研究していきたいと考えています。この研究をすることで、国・言語などの差異を乗り越えて人々がこれからどのように協調していけば良いのかを詳しく追求することができると思うからです。

この留学を通して、自らの英語力をさらに成長させることができたとともに、心の底から興味を持って研究してみたいと思えるものを見つけることができました。この機会を無駄にすることなく、今後の目標を実現するために、これから日々努力をし続けようと思います。最後になりますが、このような機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。