Report活動レポート

ドイツの生活に触れながら、これからの日本の街づくりを考える

奥山千恵子 高崎経済大学
(地域政策学部3年)

留学期間:
2018年9月12日~2019年7月4日
留学先:
ドイツ
ルートヴィヒスハーフェン経済大学

ドイツの生活に触れながら、これからの日本の街づくりを考える

長年の夢だった長期留学

私はドイツのルートヴィヒスハーフェン経済大学に10ヶ月間留学しました。長期留学が長年の夢であった自分にとって、ドイツで過ごした10ヶ月間は一日一日が新鮮でとても充実した日々でした。

留学先では主にビジネスについて学びました。留学生向けに英語で開講されている講義を受講していましたが、英語で長時間講義を受けることがほぼ初めてな私にとって、集中力を絶やさず受講するのが最初の壁でした。さらに、日本での専攻分野と異なるため、専門用語がわからず慣れるまで苦労しました。自分の予想以上に英語の運用能力が低く、英語を話すのが怖くなりグループでディスカッションする時間が嫌いでなりませんでした。

ですが、留学生のイベントで親しくなった友人と共に時間を過ごすようになり、英語に触れる機会が増えたことで徐々に人前で発言することへの抵抗も薄れていきました。後期の授業では、授業内容も以前より理解できるようになり、もっと理解したいと思うようになり夜遅くまで友人と勉強する日も増えました。ディスカッション時にも、自分の意見を述べられるようになり、授業を楽しく受けることができました。

開講されていた講義には、経済やビジネスを中心としたもののほかにEU関連の授業もありました。EUについてはあまり知りませんでしたが、EUという世界に1つしかない共同体について学ぶのはとても興味深かったです。私は現地に着く前は殆どドイツ語の知識がなく、ドイツに来てから本格的にドイツ語を学び始めました。初めて英語を使わず、ドイツ語のみでレストランでオーダーできたり、路面電車を待っているおばあさんと簡単なドイツ語でお話できたりと少しずつですが進歩を感じることができて嬉しかったです。

海外の様々な都市を見て、日本の街づくりを考える

また、私は今回の留学の目的の1つとして、海外の様々な街を見て、日本の街づくりと照らし合わせたいと考えていました。実際にドイツという国1つを例に挙げても、日本では見たことないものがいくつもあり、ただ毎日街を歩いているだけで新しい気づきがありました。日常生活においても、ペットボトルや瓶のリサイクル制度、公共交通機関のバリアフリー化など、優れた点が多くありました。

ヨーロッパの約50都市を訪れ、たくさんの街、人、文化に五感で触れ、私は日本の地方はこれからもっともっと活性化していける可能性を秘めていると確信すると同時に、帰国後に日本の大学での専攻分野である地域政策学を学ぶ意欲が高まりました。そして、卒業後は地域活性化に貢献できる人材になりたいという思いが留学前よりもさらに強くなりました。

ヨーロッパの人々の暮らしに触れ、考え方にも変化が

精神面においても、大きく変われたと思います。これまでは些細な事でマイナス思考に陥ることや気分を損ねてしまうことがありました。しかし、他国の留学生と関わる中で、自分と異なる考え方を尊重したり、時には自分の意志を強く主張したり、型にはまらず自分を表現している友人達に出会いました。彼らと時間を共有するなかで、私も物事をよりポジティブに、また柔軟に考えられるようになったと思います。

街ですれ違う人々は、家族や友人と過ごす時間を大切にしており、時にゆったりと時に大きな声で笑い合いそれぞれの時間を楽しんでいました。そのようなヨーロッパの人々の暮らしに触れ、私自身も小さな事にとらわれず、心にゆとりを持って一日一日を楽しく過ごせるようになりました。

また、日本で普通に暮らしているだけでは体験しないような出来事や今まで私にとって常識だったことが通じない環境で約一年過ごしたことで、多少のことでは臆することもなくなりました。何より、私は私らしくいればよいと思えるようになりました。

この10ヶ月間を振り返ると本当に様々な経験をしました。時には悩んだ時期もありましたが、帰国が近づくにつれ、まだドイツにいたいと思うほど充実した留学生活を送ることができました。この留学で培った経験や出会いを大切にこれからの人生を切り開いていきたいと思います。