Report活動レポート
ネイティブが教える第二言語習得論や異文化交流を通して、グローバル化に対応した日本での英語教育のこれからを考える!
林響子 群馬大学(教育学部4年)
- 留学期間:
- 2019年1月14日~2019年5月24日
- 留学先:
- アメリカ
San Diego State University(サンディエゴ州立大学)
私は、「留学・研修留学計画書」の通り、アメリカのサンディエゴ州立大学への1セメスターの交換留学へ行ってきました。ここでの経験は、私の人生においてかけがえのないものとなり、価値のある留学を経験することができました。まず、現地での学びについて、主に生活面と学習面から振り返ると共に報告させて頂きます。
様々な英語が飛び交う環境で、コミュニケーションを図る
生活面において、初めのうちは、ネイティブの英語の速さや方言に苦戦したり、他国からの留学生の英語の流暢さに焦りを感じたりと言語の壁を強く感じる厳しいスタートとなりました。なぜなら、私が留学したこのサンディエゴはメキシコとの国境にとても近いため、現地の生徒でもメキシコ出身者が多く、スパングリッシュを話していたり、サンディエゴ州立大学へはヨーロッパからの留学生も多く留学に来ていて、ブリティッシュイングリッシュを話す友人も多くいたからです。
今まで、アメリカンイングリッシュを通して、英語を学んできた私にとっては、同じ英語であるにも関わらず、理解に苦しむ原因となるのかと驚きました。そこで、私は、様々な英語で話されるニュースやトークショーなどを聞いてリスニング力を高める工夫をしながら、言語の壁を感じ諦めることなく、彼らと共に行動しコミュニケーションを図ることを第一に考え、生活しました。この努力のおかげで、徐々にそれぞれの発音や言い回しの違いを認識しながらコミュニケーションをとったり、より深い話題についてやりとりしたりすることができるようになれたと実感します。
「話すこと」を通した学びの重要性
学習面においては、一つの分野にとらわれることなく、様々な領域の授業や日本では体験することができない授業に挑戦しました。第二言語話者向けの留学生用の授業ではなく、実際の現地の生徒が日頃受講している授業を受け、自分が予想していたよりも授業の進みが早く、テストのレベルも高かった印象を受けました。言語学においては、“LING 420”を履修し第二言語習得者が犯しやすいミスの原因や特徴について学んだり、アメリカの各地方における発音や言い回しの違いについて学びました。
第二言語習得者が引き起こしやすい文法や語法のミスの特徴と自分自身の英語運用に対してミスを起こしてしまう時の傾向とを照らし合わせることができ、自身の英語学習を見直すことができました。また、将来英語の教師になった際には、ここで学んだ第二言語習得者の学習の傾向を生かして、分かりやすい英語の授業を展開できるように役立てていきたいと思いました。
また、日本語の授業のTA(補助教員)として、“JPN 212”(日本語(中級)のクラス)に参加させて頂きました。ここでは、授業の中で漢字の指導や日本語でのコミュニケーション活動のアシストをしたり、日々の宿題の丸つけなどを担当しました。内容としては、日本語の特徴的な敬語表現や使役表現を教えるものでした。このような日本独時な言い回しは、やはり第二言語習得者にとっては、とても難しく慣れるまで苦戦している生徒が多くみられました。グローバル化に伴い、このような日本語指導を必要とする児童・生徒は、日本でも多くなってくると考えています。
だからこそ、ここでの学んだ日本語の教授形式や気を付けるべき点などをしっかりと心にとどめ、実際の現場で海外からきた生徒に対する日本語指導も行うことができる人材となりたいです。また、この授業で大切にされていた点は、主に日本語でのコミュニケーションを実際に行うアクティビティに焦点を置き、生徒が日本語を実際に使う場面を多く取り入れていました。
私は、この授業の様子から、第二言語習得においてはやはり「話すこと」に焦点をおいた教授法がとても有効であると考えました。現在の日本での英語教育はまだまだ文法や読み取りといったインプット形式の授業形態であるように感じます。言語は違いますが、アメリカという日本語を生活の中で使う場面が少ない地域でさえ、日本語を十分に生徒たちは習得していた様子から、この「話すこと」を通した学びの重要性を実感しました。
将来の夢に向かって
私は、将来群馬県で教師になることを目標に日々努力しています。この留学を通して、自身の視野を広げると共に、コミュニケーション力や積極性を高めることができました。また、これからの日本での英語教育の向上に対して、一教師としてどのように貢献していくことができるのか、どんな英語の授業を展開していくのが、生徒にとって効果的であるのか等を改めて考える良いきっかけとなりました。
だからこそ、私はこの経験を生かして、教師になった際には、様々なバックグラウンドを持った生徒と積極的に関わりながら、より効果的な英語教授法について常に考え向上していく人材を目指していきたいです。この留学で成長することできた英語力に満足することなく、向上心を持って生徒と共に学び続ける教師となります。