Report活動レポート

データサイエンス分野や言語の学びを深める

栗原隆 高崎経済大学(経済学部3年)

留学期間:
2019年9月~2020年4月
留学先:
ポーランド
ヴロツワフ経済大学

データサイエンス分野や言語の学びを深める

留学・研修で学んだこと

私は今回の留学を通し、専攻であるデータサイエンス分野と他言語について学ぶことができ、またバレーボールでも良い経験をすることが出来た。

まず、専攻の学びについては、理論ベースの統計学や確率論、そして学んだことを実際に活かす計量経済学やデータ分析といった科目で良い経験が得られた。理論系の科目では、国内で学んだ内容と英語の噛み砕かれた解釈を擦り合わせつつ理解を固めることができた。また、ポーランド人に多いと感じた「不要なことは一切言わない」話し方もあり、講義外の時間に相談に行った際には満足のいくフィードバックが得られた。そして、実務系科目では、主成分分析・因子分析を用いた日本の都道府県の階層型・非階層型クラスタリングを期末課題とすることで多くの学びを得られた。

そして、言語については、講義や旅行などに不可欠な英語、そして現地語であるポーランド語に多く触れる機会があり、生活に必要な程度に馴染むことができた。英語に関しては、特に理論系の科目で理解を深めることができたが、これは帰国直前の航空会社やジム会社との緊急連絡の際にも大きく役立った。また、ポーランド語に関しても同様に、現地のバレー部員と簡単なコミュニケーションを取るのに役立っただけでなく、旅行帰りに目的地を大きく越してしまい、現地で初めて使う公共交通機関を利用することになった際にも大きく役立った。

今後、留学・研修の成果を、自分自身の将来にどのように活かしていくか

今回の留学では、専攻分野や言語の学びを深めること、バレー強豪国を経験すること、そして未知の環境で生活することが目的であった。これらの経験は全て今後の糧になるものであると考えられる。まず、専攻などの学習したことは、私が将来生業にしたいと考えているデータサイエンティストとしてのキャリア形成に大きく寄与する見通しである。

次に、バレー強豪国でのプレーの経験には、復帰後にチームに大きく還元できるものがあるだけでなく、地元中学校等でのコーチボランティアにも活かせる経験があった。そして、未知の環境で忙しなく生活した経験は、自分に「今後どこでも生きていける」という確信を与えるものとなり、将来的には企業での海外勤務や問題解決シーンで活かすことができると考えられる。

未知の環境で生活する経験を通じて、欧州事情を自分の目で確認

留学先であったヴロツワフはポーランド南西部に位置する、日本でいうところの愛知県や大阪府のような性格を持つ町であり、特に大学とその寮の所在地は都市の中心部に近かった。空路と陸路の双方で恵まれたヴロツワフからは多くの欧州観光地に向かうことができ、上述の「未知の環境で生活する経験」を得ることに大きく貢献したと考えられる。また、そのような経験から多くの欧州事情を自分の目で確認することができた。

まず、どの国でも見られたのが、歴史を感じさせる石造りの街並みが広がると思えば、テナントが入り込んでいる建物が多かった、というような光景である。日本のマンションや地方にあるようなペンションが多く見られたり、石造りの建物は都市部のみにあるという予想は外れていなかったものの、石造建築にネオン管が使われている様子は、観光地の店舗の多くを運営しているのが中国人であること等と相まって、当初の印象と大きく異なり、とても奇妙な印象を受けた。

次に、多くの国でマクドナルド、ケンタッキー、スターバックスが親しまれていることから、それらが北欧から地中海周辺に至るまでの各国の価値観、価格感覚の指標になることが分かった。また、一方で日本のように豊富な種類の系列料理店があったわけではなく、旅先でも食事の品質が確保されている日本国内の素晴らしさを確認する良い機会となった。

そして、欧州の都会と地方の対比についても気になるところが多かった。ポーランドを始めとする欧州の国では、日本に多く見られる住宅街(住宅のみで商業施設が少ない)のような構造はあまり見られず、日本ほど人と物が分散されているような印象を受けなかった。寧ろ、人と物、さらに教育機関までも各国の都市部に集まり、それ以外の土地に森や牧地が集中している分布が、各国の都市部の綿密な交通網を実現していると考えられる。

このことから、近年困窮しつつある日本の地方の交通網の問題について、こういった欧州のような分布を模倣できれば、ある程度解決できるのではないか、と思い至ったのも今回得られた一つの学びである。

今後は、今回の留学で見て回った経験を活かし、日本の問題点と照らし合わせつつ、地域や町の運営の最適を探っていきたいとも考える。