Report活動レポート
日本と海外の文化と価値観の違いについて
廣瀬綾音
群馬県立県民健康科学大学(看護学部1年)
- 留学期間:
- 2022年8月11日~2022年9月11日
- 留学先:
- オーストラリア
自分を主張する事を恐れない
私は今回の1ヶ月の留学で、海外の文化や価値観の違いについて学ぶことが出来ました。様々な人種の人が集まるオーストラリアで、どの国の人にも共通していたのは、自分を主張していくことを大切にしていることです。語学学校では授業中でも疑問に思ったら手を上げずに、大きな声で直接先生に問いかけていました。そして、分かるまでとことん質問をしていく姿や、先生の問いかけに大きな声で答える姿が印象的でした。
日本では、授業中に発言する人はあまりいませんし、手を挙げて先生に指名されるのを嫌なことと捉えている人が多いと思います。私自身も自分の答えが合っているか、間違えた時にこんなことも分からないのか、と周りに思われたくないという気持ちが大きく、日本で発言するのはとても少なかったです。
なので、どうして自信を持って発言できるのかとコロンビア人の友達に聞いてみたところ、「自分を主張していかないといつまでも英語は学べない。それに学校は間違えるところだろ?」と答えてくれました。間違えを恐れないことがコロンビア人の彼の行動を変えている要因だと感じました。
そこからの授業では、彼が言っていた通り、間違えてもいいんだという精神で自分の考えを発言していくことに挑戦していきました。何度も間違えたことを言っていたと思いますが、自分の意見を主張していくことで、周りの人から新たな意見が生まれることもあり、とても嬉しかったのを覚えています。
また日本では相手に合わせたり、空気を読むことで相手との距離を縮めることが多かったですが、オーストラリアでは自己主張をハッキリと示し、クラスメイトに私という人間を知ってもらうことで、仲良くなれたと思います。語学学校の最終日には、担任の先生に「自分を主張していくことを恐れない心をこれからも大切にしてね」と言ってもらい、自分でも達成感を感じることが出来ました。
自尊心を強くもつ
また、オーストラリアの街中では電動車椅子で外出している人を、日本にいる時よりも多く見かけました。周りの目や、「普通」にとらわれない海外の人だからこそ、積極的に電動車椅子でも外に出る人が多いと感じました。
これを裏付ける出来事として、私が街中でバスに乗ろうとしている時、杖を使っている方もバスに乗ろうとしていたので、バスに乗るお手伝いをしたことがありました。それがきっかけでバスの中で右足に麻痺がある方とお話しをすることができました。
私が留学に来ていることを知った彼女から「メルボルンの印象はどうか?」と聞かれたので、「メルボルンの街中には電動車椅子で外出する人や、障がいがあっても積極的に活動している人が多い印象だ」と伝えると「少なくとも私はハンデを負っても、自分で自分のことをしたいという気持ちが強い。だからこそ杖を使っていても積極的に外に出るし、目が悪い人が眼鏡を使うように、私は脚が悪いから杖を使っている。ただそれだけのことよ」と話してくれました。
電動車椅子を活用して1人で街中へ買い物に来ている人は、この方のようにハンデがあっても自尊心を強く持って生活しているのではないかと思いました。そして、人の数だけその人にとっての「普通」があるのだと学ぶことができました。
自分の主張だけでなく、相手に寄り添う為に
これからは、今回学んだ自己主張していくことや、自分でできることは自分でやりたいという気持ちが強い海外の人と良い関係を築くことが出来るよう、相手側の自己主張を聞き出し、受け止められるようになっていきたいです。
私が将来なりたいと考えているのは、人に寄り添うことができる看護師です。日本人に限らず、海外の人と関わることがある病院もありますし、自分が海外に行って働くという選択肢もあります。
国籍が異なっても、しっかりと相手に寄り添う為には、自分の主張だけでなく、相手がどういう人間なのか、何を求めているのかを知ることが大切です。しっかり意見を持っている人が多いからこそ、会話を通して相手の主張に耳を傾け、擦り合わせて、相手を知っていくことが海外の患者さんとも良い関係を築けるのではないかと思いました。