Report活動レポート

英語教育の違いを実感

和田朗弘
群馬大学(共同教育学部4年)

留学期間:
2022年9月20日~2023年6月8日
留学先:
イギリス(キール大学)

英語教育の違いを実感

アメリカ英語とイギリス英語

私は9ヶ月間の留学を経て学んだことが3つあります。

1つ目は、英語母語話者であるイギリス人が話す英語についてです。まず、英語母語話者であるイギリス人の友達が話す英語について、最初は聞き取ることが非常に困難でした。日本では小学校の頃からアメリカ英語に慣れ親しんでいるために、留学前にYouTubeやNetflix等を通じてイギリス英語に多く触れ準備をしてきたつもりでしたが、生のイギリス英語に圧倒されました。

イギリスの様々な地方から人が大学に集まるため、それぞれ違うアクセントを持っており、映画やドラマで耳にするようなイギリス英語はなかなか聞く機会がありませんでした。表現においても、イギリス特有の表現をいくつも学ぶことができました。

特に、大学に到着したその日に現地の友達からいきなりcheersと言われ、私は「乾杯?なんでいきなり?」と思いながらも歓迎してくれてるのだと考え、持っていたボトルを相手に向けてcheersと返したところ、相手はボトルの蓋を開けてくれるという理解のできない状況が生まれました。

後にその友達からcheersはthank youという意味だと教えてもらいました。また、彼は僕がボトルを開けられないのかと思い蓋をあけてくれたそうです。

このような表現や独特な言い回しは、日本で勉強をしていた時に知らないものが数多くあったため、現地で生活をしたからこその発見や学びが得られるのだと改めて実感しました。

英語教育の違い

2つ目は、英語教育についてです。やはり、留学の最初の壁は会話のスピードについていけないことでした。私が苦戦してる中、他の国の友達は英語母語話者でないにもかかわらず、私よりもはるかに会話が上手でした。そこで、彼らにどのように英語を学んできたか尋ねると、授業では圧倒的に会話することがメインだと教えてくれました。

また、彼らのほとんどは「文法も学ぶけど会話の時にほとんど気にしてない」と言っていました。英語の教師になるために勉強しているイギリス人の友達は「もちろん文法も教えるけど、それにすごくこだわるわけではなく、むしろ語彙や実際にどのような場面、状況でどのように使うかの方が大事だと思う。英語は会話するための手段だから」と教えてくれました。

このように他の国の英語教育でも実践的な英会話を大切にしているため、現在日本でもコミュニケーション場面が英語教育において重要なポイントとなることを実感しました。

外国人から見た日本の印象

3つ目は日本に対する印象についてです。私はキール大学でできた友達に日本に対するイメージを尋ねたところ、日本ほど魅力的な国はない、日本食を食べたい、日本の文化を肌で感じてみたい、寺や神社に行ってみたい、というようなポジティブな印象を持っていて、お金があったら絶対に行きたいと答えてくれました。

キール大学

それと同時に、AIやロボットを駆使したものすごく近未来な国だと想像している人や、日本人は働き過ぎているというような印象を持つ人もいました。

しかし、最も多くの意見で上がったのは、日本に行ってみたいけど日本語を話せないから難しそうという意見でした。海外で生活してみて、私にとっては日本ほど素晴らしい国はないと感じていましたが、確かに他のヨーロッパ諸国と比べて英語での表記は少ないため、外国人にとって不便に感じることは納得できます。

同じ島国であるイギリスは多様性がものすごく進んでいるのに対し、日本は対照的であると感じました。日本にいただけでは気づくことができない日本の素晴らしさや課題点、他の国の人々にはどう思われているかということを知れたことは、将来、異文化理解等を教える英語教師を目指す私にとって非常に良い経験でした。

自身の経験を活かして、英語を教える

これらの留学で学んだ経験を、群馬県の英語教師として子どもたちに英語教育等を通じて伝えることで、還元していくということが私の将来の一番の目標です。留学で実際に体験した様々なコミュニケーションの場面を活かした言語場面の設定をしたり、その状況でどのような英語表現を使えるのかということを紹介したりすることを通じて実際に使える英語を教えていきたいと思います。

また、留学時にオランダ人の友達が「日本語はオリジナルの文字を使ったり語順も全然違ったり英語とは全く異なる言語なのに、どうしたらそんなに話せるの?すごすぎるよ。」と伝えてくれました。

これまで私は周りと比べて英語に関して劣等感を抱いていましたがその言葉が私の意識を変え救ってくれました。やはり日本人は完璧主義の傾向があるため、このような考え方も生徒たちに伝えたいと思います。

留学を経て、ますます英語を学ぶことが好きになることができたので、英語を学ぶことの楽しさや伝わった時の嬉しさ等を子供達に伝えると共に、さらに自らの語学力を向上させていきたいです。