Report活動レポート
国を超えた交流から文化の違いを学び、自分の知見を広げる
吉田安里
高崎経済大学(地域政策学部4年)
- 留学期間:
- 2023年9月5日~2024年5月1日
- 留学先:
- アイルランド(ダブリンシティ大学)
留学をしなければ気付かなかった偏見と勘違い
私はアイルランド留学を経験して学んだことが3つある。まず、交流の仕方についてだ。私はアイルランド留学で文化に関する講義を中心に受講し、日常生活の中でも多くの人々と会話をした。その中でも、寮での生活が特に記憶に残っている。
私が寮生活の中で学んだことは、生まれた国が違っても怖気付かずに人として向き合うことが重要であることだ。私の寮では、約20カ国から来た60人ほどの留学生達と交流することができた。その中でも、私のフロアに住んでいる30人とキッチンで多くの交流をした。アイルランドだけでなくイタリアやスペイン、フランスから来た留学生がいた。
最初私が寮に来た時は「自分がアジア人であるから、差別されるのではないか」「ヨーロッパの人は日本人よりも主張が強いから、自分も胸を張らなければいけない」といった偏見があった。しかし、出会った初日から彼女達は私に優しく接してくれた。その後キッチンで会うたびに雑談をするようになった。私は彼女達との交流を通して、自分が持っていた偏見やコミュニケーションに対する恐怖をなくすことができた。
生まれた国や使う言語が違っていても、目の前にいる人は同じ人間である。自分から自己開示する大切や自分から話しかける積極性の大切さも学んだ。大学の学生との交流でも多くのことを学んだ。日本では、英語は日本語よりももっとストレートに発言をするといったことをよく耳にする。
しかし、私は留学を通して、それは事実ではないと感じた。英語は奥深い言語である。実際に多くの人々と会話をしていて、英語でも言い方に気を付けていることを感じた。一つ注意をするだけでも、日本語のように相手を不快にさせない前置きや言い方をより柔らかくしていることに気付いた。これは留学をしなければ、気付くことはなかったかもしれない経験であった。
スモールトークで人々との交流を楽しむ
次に、文化の面である。私は留学中に多くの国の人と交流し、様々な国に訪れて実際に自分の目で文化の違いを見た。その中でも私が特に文化の違いを感じた経験が、スモールトークである。お店の中や道端、バスを待つ時、どこであっても小さい会話が生まれている。日本ではあまり知らない人と会話をする機会がないように思う。
しかし、アイルランドに限らず多くの国ではスモールトークを挟み、日常的に人との交流を楽しむ文化があった。これは日本とそれ以外の国での人との関わり方の違いでもあると思う。私は留学初めの時はスモールトークが苦手であったため苦労した。
言語だけでなく、たくさんのことを学んだ留学生活
そして、私が留学を通して成長したことが3つある。英語力はもちろん、物怖じしない心と積極性である。留学中は多くの人と関わり合い、限られた時間でどれだけ人と仲良くできるかが試されると思う。そこから自分が学ぶ機会を得なければならない。そのため、日本にいた時よりも遥かに沢山の交流をした。自信と笑顔があれば、相手もその分明るく接してくれる。
私はアイルランド留学を通して、知識面、言語面でも人間として大きく成長できたように思う。文化やコミュニケーション以外に、私はインターネットの歴史やITに関する分野について学んだ。講義だけでなく、現地のIT企業に実際に訪れるなど貴重な体験と共に多くの知識を学ぶことができた。また留学中に様々な国の美術館に訪れることで多くのデジタルアートを中心とした作品を鑑賞し、アイディアやインスピレーションを得ることができた。そこから、自分の作品作りに活かすことやプログラミングを学び始めるきっかけにもつながった。
私は留学を通して語学力の向上や多文化への理解と積極性、IT技術に関する知識を得た。私はこれらの得たものを日本国内での国際交流で活かし、語学力を維持するとともに文化に関するより新しい知識を得られるように論文の読み込みや交流を続けていこうと思う。また、IT技術に関する興味関心や知識と語学力を活かすことのできる企業に就職し、より自分の能力を伸ばしていこうと考えている。
今後はこの経験を活かして、社会に貢献できる人材になりたい。私は今回の留学を通して、自分自身も自分の将来もより良い方向に変えることができたと感じている。この度は、奨学金のご支援をいただきまして、誠に感謝しております。