Report活動レポート
医療・行政分野のICT化先進国で、最先端の知識・技術を学ぶ
福島朱莉
高崎健康福祉大学(健康福祉学部3年)
- 留学期間:
- 2023年8月15日~2023年12月27日
- 留学先:
- フィンランド(JAMK応用科学大学)
JAMK応用科学大学での学び
2023年8月15日から12月27日までの約4.5か月間、FinlandのJyväskyläにあるJAMK応用科学大学ICT学科に留学しました。私はこのJAMK応用科学大学ICT学科への留学に対し、主に2つの目的を持ち、挑戦してきました。
その1つとして、フィンランドという医療・行政分野のICT化先進国において、英語講義で情報系専門科目を履修するという目的がありました。実際には、「Linux」、「Internet of Things」、「Python Programming」、「Cyber Security」、「Security Management in Cyber Domain」の5つの情報分野のコースと、「Improve your English」という英語科目を受講しました。
そこでは、どの授業でも、学生は積極的に質問・発言し、教室全体でのディスカッションが頻繁に行われ、聴講型の日本での学びの形態との違いに、最初は戸惑いを感じることもありました。しかし、その授業形態のおかげで、わからないところがあればすぐに学生同士で教え合えたり、物怖じせず疑問点を口にすることができたりと、意欲的に授業に取り組むことができました。また、先生と学生双方向からの情報発信・共有が行われることで、活発な授業が進行され、1科目3時間近い授業も最後まで楽しみながら取り組むことができたと感じています。
その結果、多くの科目で成績として4(good)、5(excellent)の高評価を得ることができ、さらに、これまで学べていなかった新たなICTに関連する知識・技術を身につけることもできました。
また、情報を学ぶ者として、英語力は欠かせないと常々感じています。実際に、留学前、大学で情報系の講義を受けているときに、プログラム言語はもちろんのこと、より新しい知識を得るために専門書や学術論文を読む際に、英語力が必要だと感じた経験があります。
この留学中には、先述したような情報系専門科目を英語で受講し、これまで日本で学んできた情報科目を改めて英語で学び直すこともできました。そのため、先進的で高度な情報の知識・技術を日本語ではなく英語で理解し、よりIT人材として成長できたのではないかと確信しています。
2つ目の目的として、自分の母国語ではない言葉で意思疎通を図るコミュニケーション能力、多国籍・異文化の環境での対応能力や柔軟性を備えた人材に成長したいという思いがありました。そして、この留学では、学問を深く究めるだけでなく、国際的な経験を有することが可能であったと感じています。
授業には19ヵ国からなる学生が参加し、生活拠点となるシェアアパートではフランス人の学生と共に生活しました。生活を送っていく中で、母国語、文化、生活習慣、価値観などの違いを感じる場面は多々ありました。
ラウンドリールームは予約制のはずなのに、自分が予約した時間になっても他の人に使われてしまったり、バスや電車など公共交通機関の利用時に大音量で音楽を聴いている人が多かったりなど、日本で生活するうえで、周りに対しての心配りとして無意識に取っている行動やルール・規則を守る厳格さは、「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、当たり前ではなくなる場面もあると実感しました。
そのような生活にも徐々に慣れていき、日本での生活、異文化での生活、両方の良さに気づけたことが成果であったとも感じています。多国籍の学生が集まり、異文化の中で生活するという経験は、私に大きな自信と、目的として挙げたような新たな能力を与えてくれたと感じています。
留学の成果を、自分自身の将来に活かす
私は、大学卒業後、医療と情報通信技術に精通した人材として、医療分野に携わる情報系企業に就き、日本の医療分野の情報化に尽力したいと考えています。AIなどの先端技術の活用によって、医療サービスの効率性や医療の質・付加価値を高められるような技術者を目指しています。
この留学では、フィンランドの先進的な情報通信技術を吸収することができ、日本の医療分野の情報化にどのように活用できるか、考えを深めることができる良い機会となりました。
今後は、すぐに実行できることとして、留学で身につけた英語力を活かし、より高度な情報分野に関する専門書や学術論文を読んだり、一緒に学んできたJAMK学生の学修への姿勢を見習い、より積極的で意欲的な講義参加、卒業研究への取り組みを行ったりしていきたいと思っています。
そして将来は、現存するものよりも利便性が高く、品質やセキュリティ面に優れ、誰にとっても使いやすいITシステムを開発し、日本の医療分野に貢献するIT人材として活躍したいと考えています。