Report活動レポート
成長と幅広い視野を獲得し、人生の宝物となった留学経験
鈴木美智子
高崎経済大学(経済学部4年)
- 留学期間:
- 2023年9月5日~2024年5月1日
- 留学先:
- アイルランド(ダブリンシティ大学)
アイルランド・ダブリンシティ大学での交換留学を振り返って、私は様々な文化の違いを感じました。その中で主に3つのことを学びました。
若者の社会問題への関心
まず、ヨーロッパの学生の政治や経済、国際情勢に対する関心の強さです。日本の授業ではセンシティブな内容はあまり扱わず、一般的に世界情勢について考える機会も少ないように感じましたが、ダブリンシティ大学の授業ではヨーロッパの学生は常に社会問題に関心を持ち、積極的に自分の意見を言っていると実感しました。
教授も学生も、忖度なしにロシアのウクライナ侵攻やアメリカと中国のことなどについて議論していました。授業スタイルも周りの学生と話し合うことが多いため、いろいろなバックグラウンドをもつ学生の意見から、文化による考え方の違いを感じ取ることもできました。
また、受講した講義の中で「International Peacekeeping and Peacebuilding」(平和維持構築学)が一番印象に残りました。教授は一人ひとりの学生に異なる発表テーマを与え、学生はテーマに沿った調査、5分に詰め込んだプレゼンテーションとそれに対して質疑応答が行われました。
私が与えられたテーマは「国家は外部から(再)建設できるのか?アフガニスタンのような最近の例から洞察を提供する」でした。課題の難易度だけでなく、一人ひとりに一つひとつ課題を与えるということにも驚きました。この課題を通して、私はアフガニスタンに関する事柄を知り、英語で書かれた情報を収集し整理する力を身につけ、英語でのプレゼンテーションのやり方も学ぶことができました。このように、講義の課題も国際情勢を絡めたことが多いと感じました。
日本の良さと課題の発見
次に、日本の良さと課題について学びました。日本のサービス精神とおもてなしの心はとても丁寧で素晴らしいものだと改めて実感しました。
アイルランドでビザを予約するために電話をした際には、電話越しのため英語が聞き取りづらく、聞き返すと、「英語が話せる人を呼んで来い!」と怒られたこともあり、心が折れそうになったのを今でも覚えています。自分の英語の下手さに失望したと同時に、日本とは違う対応に戸惑いました。
一方で、日本の課題はワークライフバランスだと考えます。ヨーロッパでは17:00~18:00頃に閉店するお店が多く、土日や祝日に閉店するお店もあります。店員さんは椅子に座って接客でき、スマホをいじることもでき、お客さんとおしゃべりしながら仕事することもできます。
ワークライフバランスに対する意識はとても高く、仕事の取り組み方も違うと感じました。日本を一歩出たことで日本の良さと課題の発見につながり、社会の構成員として自分自身に何ができるかを考える貴重な原体験になり、幅広い視野を身につけられたと思います。
目の前で起きた非日常が、自身の成長へと繋がる
最後に、自分が感じた成長という面では、ハプニングが起きても慌てないようになったと感じます。スリの瞬間を目撃したこと、近くでテロが起きたこと、タクシーで過剰な請求をされたことなど、留学中は様々なハプニングにあい、日本の治安の良さは当たり前ではないということを強く認識しました。
しかし、いろいろなハプニングや事件などを経験したことで、自分の防犯意識を高めることもできました。そこで学んだこととしては、焦ってパニックになっても何も解決しないということでした。冷静に状況を分析し、落ち着いて行動することが大切だと感じました。そのおかげで、今では慌てずに臨機応変に物事に対応できるようになりました。今後にも活かせる大事な能力を身につけられたと感じ、いい経験だったと思うようになりました。
私は留学を通して、ネイティブがよく使う相槌の仕方や英熟語などを学ぶことができました。ヨーロッパの他の国々にも行き、それぞれの雰囲気を感じ、日本と似ているところと違っているところをたくさん発見しました。また、視野が広がり、日本という国に対して再認識することも多かったです。身についた能力と多角的な視点を今後の人生でも活かしていきたいと思っています。
自分が持っている日本語、中国語、英語、韓国語という語学力の強みと、交換留学で培ったコミュニケーションスキルを用いて、将来はグローバル企業で働き、世界各地の人々と親交を深め、真のグローバル人材を目指していきたいです。
今回の留学では新しい環境に飛び込み、自分の今までの人生では見えなかった「美しい景色」にたくさん出会うことができて自分は幸せ者だと感じます。夢のような留学経験は私の中での宝物となり、人生の中で一番大切な思い出として今後も思い出していきたいです。最後になりますが、奨学金のご支援をいただき、本当にありがとうございました。