Report活動レポート

移民が多いオーストラリアで多種多様な食文化を学ぶ

髙橋依里
高崎健康福祉大学(健康福祉学部4年)

留学期間:
2023年8月25日~2023年9月24日
留学先:
オーストラリア(Cass Training International College)

移民が多いオーストラリアで多種多様な食文化を学ぶ

今回の研修ではオーストラリアの食文化・食への取り組み、現地の高齢者施設での食事について学んだ。語学学校では一般英語を選択し、日常会話について学んだ。

食文化・食への取り組みは語学学校の生徒達、ホストファミリーと交流し実態を調べた。現地のスーパー、飲食店を訪れ、事前に調べていたものはどのように表記されているのかを確認した。オーストラリアには移民が多いため、食文化は多種多様であり、多くの食文化を知ることができた。町には中国人が多く住む地域、インド人が多い地域などがある。そのため、その地域はその国独自の食文化が根づいている。

多種多様な食文化が混ざるオーストラリア

オーストラリア全体では主食はパンまたはじゃがいも、主菜は肉・魚のグリル、副菜はサラダ、フルーツとシンプルな料理であった。近年は食にこだわることが増えているため、シンプルなものではなく手の込んだ料理をすることが増えたという。

また、日本食がとても人気で多くのお店が立ち並んでいた。オーストラリアの食品は日本より調味料の種類が少ないが、野菜や乳製品、食に制限がある人向けの種類は日本より多かった。日本の味付けや調理法は種類が多いと気づくこともできた。

健康指数を星で表示するヘルススターはチーズやお菓子、ジュース等多くの食品に表示されていた。ヘルススターについては多くの人が存在を知り、意味についても理解していた。日々の食事、食品選択に役立てているという。

ベジタリアン等の表記は飲食店に多く、ほとんど全ての飲食店で確認できた。ベジタリアン表記が多いことは多種多様な食文化を持っているオーストラリアならではと考えた。ベジタリアンだけでなく、グルテンフリーなど健康志向で食事を制限している人も多く、宗教的背景もあるからだ。

これらから、多種多様な食文化が混ざり、健康志向が進む世の中にヘルススター、ベジタリアン等の表示は全ての人が食事を容易に選択するために必須なものと考えられた。

高齢者施設の食事事情

高齢者施設では食事管理や献立作成、食事の形状について学んだ。こちらの高齢者施設は終の棲家をコンセプトとしてつくられており、1人1部屋で小さな街のようである。加えて、イタリア人が多い地域であることからイタリアの街並みを表現している。

施設での食事はシンプルでパスタとスープ等である。これは現在入居している方が子供の頃に食べていた食事に近いものにするためだ。調理は中央キッチンで行い、各階のキッチンスペースにて食事の準備をしていた。これは食中毒予防の観点からである。

献立作成は施設と入居者が何を食べたいのか相談し、栄養士に送り、選択する。日本では栄養士が献立を作成するため、日本と大きく異なっていて面白いと感じた。米粒、かゆ、ゼリー状などの形態は言語聴覚士と相談して食形態を選択している。食形態を決定する際に連携が強い職種は日本と同じである。

大事なことは、間違えないことよりも積極的に話すこと

語学学校では、同じ英語でもアクセントや発音が異なることでわからない場合が多くあると学んだ。配属されたクラスでは文法を中心に行い、文法や単語の知識が不足していることに気がついた。そのため、今回学んだ内容を再確認し、身につけて様々な表現ができるようになりたい。

オーストラリア

語学学校では香港、コロンビア、ブラジルなど様々な国出身の生徒がいた。クラスメイトと関わることで様々なアクセントを知り、間違っていても英語を話すことの大切さを学んだ。研修前は発音を最も重視していたが、研修を通して積極的に英語で話すことが最も重要であると気づいた。オーストラリアへ行き、多くの人と交流しなければ気づくことができなかった。

今回の研修で多くの他者と交流した。それにより多様な価値観を知り、挑戦することの大切さを改めて感じることができた。また、英会話の難しさを学んだ。今後は更に語学力を向上させ、より多くの人とコミュニケーションをとっていきたい。

その他に、現在の日本では食事を患者様と相談し、献立を作成するという施設はほとんどない。患者様と一緒に食事を作れるような仕組みを提案し、実現できるように努めていきたい。また、職場環境の管理も管理栄養士の勤めである。オーストラリアでは働く人の休暇もきちんと考えられていたため、日本でも1・2週間休める職場をつくれるよう働きかけるなど改善していけたら良いと考えている。