Report活動レポート

今まで考えたことのなかった視点に触れ、留学生活が充実

高間咲輝
群馬県立女子大学
(国際コミュニケーション学部4年)

留学期間:
2024年8月25日~2025年4月30日
留学先:
カナダ トンプソン・リバース大学

自分のやりたいことを見つける

大事なのは、自分の気持ちに正直になること

「自分が将来やりたいことを見つけてくる」これを今回の留学のテーマとして私はカナダに行ってきた。もちろん英語力も磨いてくるが、何よりここでしかできない体験を全力でしてきたい。これが留学前の私の望みだった。

実際、留学は私にとって期待以上の素晴らしいものだった。特に、自分らしくあることの大切さを学んだ。カナダでの大学のオリエンテーションの日、私はある女の子と出会った。その子はメキシコ出身で、とても明るく、出会ったその日に一緒にカフェへ行くことになった。そこでは様々な話をしてあっという間に時間が過ぎていった。

私たちは夕方になっても話が尽きず、場所を変えて話そうということになった。しかし、ホームステイをしていた私はホームステイ先に迷惑をかけてしまうのではないかという理由でそれを断ってしまった。すると彼女は「ホームステイの前にサキは何をしたいの」と私に聞いた。それをきっかけに、私はどれだけ自分の気持ちより他人に自分がどう見えているかを気にしていたのかを自覚するようになった。

数日後、彼女に偶然再会した私は、彼女とその友達たちのバーベキューに誘われた。しかし、英語もうまく話せない私が参加しても良いのかということで悩んでしまい、すぐに返事ができなかった。家に帰り、ホストマザーに相談したところ、ホストマザーは「行きたいなら行きなよ!いやだったらすぐ帰ってくればいいの」と言ってくれた。

カナダ

実際に行ってみると、私の英語を馬鹿にするひとは誰もおらず、むしろたくさん友達ができた。それから私は、他人のことよりも先に自分の気持ちを考えて行動するようになった。すると、英語を話す機会が格段に増え、英語力が伸びたのと同時に自分の次の目標まで見つけることができた。

自分の人生は自分の物なのだから最終的には自分がどうしたいかを考えて決断してもいい。他人がどう思うかよりも自分がどう決断したかに価値がある。このことを強く実感した留学生活だった。

視点を変えたことで、留学生活がさらに充実

この経験を通して、他人の価値観も尊重できるようになった。一見不思議に聞こえることでも、恥ずかしがらずに堂々としているその姿が何よりもかっこいいと思った。また、先入観にとらわれず人と接することの意義も感じることができた。国や人種、性別、性格に違いはあれど、結局はみんな同じなのである。

冬期にとったある授業で、私は知的障害を持った人のためのスポーツクラブでのボランティアをした。最初は、仲がよさそうなアスリートたちの輪に入り込めず自分はこれからやっていけるのだろうかと不安になった。中には、自分の言語を持っていたり、声さえ発しない人がいたりしたため、余計にどのように接していいのか分からず、毎週2回のボランティアが本当に苦痛だった。

さらに、勇気をもって話しかけても、相手が私の練習中の英語を理解できず会話が途切れてしまうため、むやみに話しかけることもできず、悶々とした日々が続いていた。そして、アスリートを鼓舞するどころかコミュニケーションさえ取れない自分を責めていた。

ある日、そのことをホストファザーに相談したところ、彼は「別にサキのせいじゃないよ。僕とは会話できるじゃん」と言ってくれた。そこで私は、自分やアスリートのスキルの問題ではなく、ただ単に新たな挑戦だからうまくいっていないだけであるということに気が付いた。

そうであるならば、カナダに来たばかりの英語に自信がなかった私と同じであるということにも気が付いた。一度そのように視点を変えると、環境もがらりと変わったように感じ、以前のように勇気を出さなくても選手に話しかけられるようになった。選手との壁を作っていたのは自分の英語スキルや相手の技能ではなく、自分自身であったのだ。

それから、まずは先入観を気にせず人と接するようになった。すると、今まで考えたことのなかった視点に触れることができ、留学生活がさらに充実したものになった。

私は、これらの経験を通して、視点を広げ自分とたくさん見つめあうことができた。そのおかげで、空間デザインを学びたいという目標までできた。これからもこの素晴らしい経験を糧に自分の人生を切り開いていきたいと思う。