Report活動レポート

日本人らしさを再発見し、グローバルで活躍できる人材を目指す

武井陽呂
高崎経済大学(地域政策学部4年)

留学期間:
2024年9月2日~2025年5月10日
留学先:
アイルランド ダブリンシティ大学

アイルランド

留学を通じて、予想以上に多くの経験をすることが出来、大きく成長できたと実感しています。さまざまなバックグランドを持つ人々と出会い、新たな知識を得て視野が広がり、刺激的な毎日を送ることが出来ました。奨学金を給付して頂いた、ぐんま赤尾奨学財団様を始め、多くの支えに感謝し、今後のキャリアに活かしたいと思います。留学を検討している人などのサポートもしていきたいです。

留学だからこそ得られた、多角的な学びと経験

現地の大学で多くの友人と出会い、授業や授業外でのディスカッション、異なる考え方や新たな知識を得ることが出来ました。英語で行われる授業に苦戦はしましたが、文化、政治、ビジネス、気候変動、コミュニケーションなど幅広い分野を履修し、それぞれのテーマについてより深く学ぶことができました。

文化関連の授業において、異なる文化について実際に異なる文化から来た人と考えることで、コミュニケーションやビジネスにおいて重要であることが分かりました。そして、欧州からの留学生の英語力の高さに驚きました。必ずしも欧州の教育が理想であるという訳ではありませんが、主体的に自分の考えを伝え、議論するという姿勢に刺激を受けました。

私は、最初のセメスターでは英語力への不安から積極的に発言できませんでしたが、次のセメスターでは、発言や質問などをし、主体的に学ぶことが出来ました。また、日本文化に関する授業を履修し、外から日本がどのような見方をされているかを考える貴重な機会になりました。

アイルランド

私自身、もともとあった関心は、政治や経済、ビジネスでしたが、文化を学ぶという重要性を理解しました。テクノロジーが急激に発展し、AI関連の学問の注目度が増して人文系の学問がやや軽視されている中で、AIの倫理的な問題などAIが万能ではないことなどに対して、今後、人文系の学問の重要度が増すのではないかと考えました。

陸上競技部にも所属し、国際大会に出場するような選手や実績のあるコーチとトレーニングに励み、競技力の向上やスポーツを通じた異文化交流をすることが出来ました。

1月には、ポルトガルでの合宿に参加し、自分以外のほとんどがアイルランド人であり、その輪に入るというのは非常に難しいことでしたが、結果的に多くの友人を作ることが出来、非常にレアな経験が出来たと思います。

ビジネスにおける発見

私は、経済やビジネスの中でもスタートアップに強い関心を持っており、アイルランドの首都ダブリンがイギリスのEU離脱や英語圏であること、教育水準の高さなど近年注目されている都市であり、ダブリンのスタートアップ施設やビジネスイベントに参加し、スタートアップの関係者や世界的なグローバル企業で働く人とお話しすることが出来ました。

そういった行動は自分の未熟さから躊躇っている部分がありましたが、自分自身の知識自体が特別劣っていると感じた訳ではなく、彼らが特段に優れているという訳でもなく、ビジネスの際は彼らに臆することなく、成果を挙げられるように努力していきたいと感じました。

欧州は小国が多く、彼らがグローバル市場への関心が日本よりも高いこと、グローバルな動きに敏感であることを実感しました。

また、ロンドンを訪れた際に、経済が鈍化しているなどの課題があり、活気がないのではと考えていましたが、実際は、金融関連を始め、世界有数の大都市です。特に金融街は大きな活気があり、日本でビジネスについて学んでいる際は、ダブリンやロンドンはあまり意識をしていなかったので非常に勉強になりました。

留学経験をどのように活かしていくか

帰国してすぐにビジネスを始めたいと強く考えるようになりました。アイルランドだけでなく、欧州の大都市を訪れる中で、ビジネスにおけるブランディングやマーケティングなどすべてにおいて日本が劣っているわけではありませんが、実際に行ってみて学ぶことが多かったです。

スコットランドでウイスキーが高額でブランド品のような価格で売られていることは特に衝撃的でした。スコットランドのウイスキーと日本酒、歴史や伝統、日本酒もスコットランドのウイスキーと匹敵する価値を見出すことが出来ると思います。ただ、そのような価値は未だに生まれていません。

これは、純粋なビジネス的な側面だけでなく、日本人の良いものをできるだけ安く売りたいという思いを反映しているのかもしれません。しかし、日本のテクノロジー関連のプロダクトや伝統工芸品などポテンシャルは高いと思います。

アイルランド

それを実感した今だからこそ、欧州へのマーケティングやブランディング戦略のビジネスに取り組みたいと考えました。しかし、最初のステップでそれがそもそも求められているのか、なかなかビジネスとしてやっていくことは難しいと実感しています。

さまざまなことに挑戦し、英語を頻繁に使用する環境に身を置いたことで、自分の英語力が飛躍的に向上したことを実感しました。しかし、ビジネスレベルとしてはまだ不十分であると痛感しており、今後も継続的に英語の学習に取り組み、世界で活躍できる人材を目指していきたいです。

また、日本を離れて海外で生活したことで、日本人として国際社会の中でどのように役割を果たすべきか、そして日本人としての強みや弱みが何かを明確に認識することができました。