Report活動レポート
【カナダ】異文化の中で学んだ、多様な価値観と挑戦する姿勢
若月亜衣
群馬県立女子大学
(国際コミュニケーション学部2年)
- 留学期間:
- 2025年8月28日~2025年12月27日
- 留学先:
- カナダ
Thompson Rivers University

カナダでの4ヵ月間の留学生活は、私のキャンパスライフを鮮やかに彩ると同時に、語学力だけでなく、物事の捉え方や価値観を大きく変える貴重な経験となった。異なる文化や背景を持つ人々と共に学び、生活する中で、これまで日本での生活では得ることのできなかった多くの学びを得ることができた。
年齢や立場に関係なく学び続ける姿勢
留学生活を通して最も強く感じたのは、「年齢や立場に関係なく、学び続ける姿勢の大切さ」である。私のクラスには、4人の子どもを育てながら夫婦で大学に通っている人や、バスの運転手として働きながら授業を受けている人がいた。
彼らは忙しい日常の中でも、自分のなりたい姿を明確に持ち、目標に向かって努力を続けていた。その姿を見て、挑戦したいことがあるなら、年齢や環境を理由に諦める必要はないのだと学び、自分自身も限界を決めず挑戦し続けたいと強く思うようになった。
留学先での授業は、ディスカッションやグループワークが中心で、学生一人ひとりの意見が強く求められる環境であった。しかし留学当初は、英語力不足もあり、自分の考えを十分に伝えることができず、グループワークが思うように進まないことが多かった。

特に、日本と比べて他国の学生は自分の意見に自信を持って発言する人が多く、その姿に圧倒される場面も少なくなかった。ある授業のグループワークでは、教師から示された課題の進め方と異なる方法で作業を進めているクラスメイトがいたため、勇気を出して「ここはこうするべきではないか」と指摘したことがあった。
しかし、その際に返ってきたのは、「私はこのやり方で合っていると思う。あなたはあなたの方法でやればいい」という言葉だった。その結果、グループとしての方向性がまとまらず、作業が停滞してしまった。この経験から、日本では周囲との調和を重視する一方で、カナダをはじめとする多文化社会では、個人の意見や考えが強く尊重される傾向があることを実感した。
当初はその違いに戸惑い、意見を伝えること自体に不安を感じていたが、次第に「自分の考えをはっきり伝えること」そのものが重要であると気づくようになった。相手と意見が異なる場合でも、間違いを恐れず自分の考えを言葉にすることが、建設的な議論につながるということを学んだ。この経験を通して、私は単に英語を話す力だけでなく、多様な価値観の中で自分の意見を主張し、相手と向き合う姿勢を身につけることができた。
当たり前の日常への感謝と社会課題への気づき
また、留学中に出会ったホームレスの存在も、私にとって大きな気づきであった。街中で彼らの姿を目にするたびに、住む場所があり、安心して眠れる環境があること、食事を当たり前に取れることが、どれほど恵まれた状況であるかを実感した。
この経験を通して、自分が置かれている環境への感謝の気持ちを持ち、目の前の小さな幸せに気づける人になりたいと考えるようになった。
多文化共生社会で学んだ、思いやりと多様性

さらに、カナダの多文化共生社会における人々の思いやりにも深い感銘を受けた。バスにベビーカーや車椅子の利用者が乗車する際には、運転手がスロープを出して丁寧に対応し、乗客は自然に席を譲ったり、降車時に手を差し伸べたりしていた。
その間、不満の声が上がることはなく、助け合いが当たり前の行動として根付いていることを日常の中で実感した。また、バスを降りる際に運転手へ感謝の言葉をかける習慣や、多様な国籍、宗教、性的指向や性自認を尊重する姿勢から、多様性を受け入れ共に生きる社会のあり方を学んだ。
留学前の私は、周りと比べることが多く、失敗を恐れ自分の気持ちに素直になれずにいた。しかし、留学を通して多様な生き方や価値観に触れたことで、失敗を恐れず前を向いて行動する大切さを学んだ。今では、自分の人生は自分のものだから他人がどう思うのかよりも、自分がどうしたいのかを考えるようになった。
留学経験を通して見つけた、将来の目標
留学前、私の将来の夢は入国審査官になることであった。しかし、カナダで大麻が合法である社会を実際に経験したことで、日本の治安の良さや安全な社会が決して当たり前ではないことを強く意識するようになった。
この経験から、日本の社会を水際で守る役割を担う税関職員という職業に強い関心を持つようになった。国境で違法薬物や危険物の流入を防ぐ税関職員の存在が、日本の安心・安全な社会を支えていると考え、私もその一員として社会に貢献したいという思いが芽生えた。

今後は、留学で培った英語力や異文化理解力、そして多様な価値観を受け入れる姿勢を生かし、国際的な視点を持った税関職員になることを目標として努力を続けていきたい。
今回の留学経験は、私にとって人生の大きな転機となった。この貴重な機会を支えてくださった奨学金制度と関係者の方々への感謝を胸に、学びを将来へと確実につなげていきたい。
