Report活動レポート

【アメリカ】教育現場と剣道交流を通して、主体的な学びと異文化理解を学ぶ

福田実央
育英大学(教育学部3年生)

留学期間:
2026年2月17日~2026年3月10日
留学先:
アメリカ合衆国
ミズーリ州立大学

アメリカ

今回のミズーリ州立大学研修留学は、将来、中学校の保健体育教員を志す私にとって、これまでの教育観が大きく変わった貴重な経験となった。「教育現場におけるアクティブラーニングの吸収」と「剣道を通じた日本文化の発信」という二つの軸を中心に、現地で得た学びと自己の成長について以下に報告する。

主体性を育む教育環境とアクティブラーニング

今回の研修留学では、現地の教育現場である幼小中高一貫校「Greenwood Laboratory School」で3週間にわたり、様々な学年の授業を見学させていただいた。ここで、最も大きな衝撃を受けたのは、日本の学校との「自由」の概念の違いである。

例えば、チャイムの音が鳴らず、授業が始まる時の挨拶もなかった。生徒たちは自分の好きな席に座り、時にはお菓子を食べたりしながら、リラックスした雰囲気の中で授業を受けていた。日本の学校教育の常識に慣れていた私は当初、その光景に戸惑いを覚えた。

しかし、観察を続けるうちに、それはただ生徒を自由にさせているだけではないことに気がついた。そこには生徒一人ひとりの主体性が尊重されており、生徒自身が「今、自分は何をすべきか」を自主的に理解しているからこそ、生徒主体の形式が成立しているのだと理解した。

アメリカ

また、現地の先生にアクティブラーニングの手法について質問した際、その先生は「アクティブラーニング」という言葉自体を知らなかった。私は、先生方にとってアクティブラーニングは意識して導入する「特別な手法」ではなく、当たり前の教育文化として定着しているからこそ、言葉で定義する必要がないのではないかと考えた。手法に囚われるのではなく、どのようにして生徒が自主的に学びだす環境を作るかという、教育の本質を改めて考えさせられた。

特に、Biomedicalの授業風景は、日本の義務教育の枠組みを大きく超える、非常に専門的な内容であった。9年生の授業でありながら、実際に羊の脳や子豚のホルマリン漬けを教材として扱い、さらには遺族の理解と許可のもとで献体を用いた学びが行われていることを知った。教科書だけで知識を蓄えるのではなく、実際に見て、聞いて、「体験して感じる」ことを重視する教育方針は、生徒たちの好奇心を引き出していた。このような学習は、専門的な知識の定着だけでなく、さらなる探究心を育むものであると考えた。

言葉の壁を乗り越えたコミュニケーションへの挑戦

アメリカ

一方で、研修留学においての最大の壁となったのはコミュニケーションである。最初の1週間は、自分の英語力が足りず、自分自身の思いを正確に伝えられないもどかしさで、悔しさを覚えた。

現在は翻訳アプリ等を使用することで意思疎通を容易に行うことができるが、それでは自分の成長にはつながらないと強く実感した。語順や単語の選択が適切でなかったりしても、自分の頭で言葉を選び、伝えようとする意思と行動こそが大切であると気づいた。

そこで「Conversation Circle(国際会話サークル)」で積極的に会話を行って交流を深めたり、ミズーリ州立大学の日本語専攻の学生との交流や特別な英語レッスンを通じて、対話を重ねたりした。

後半には、単に意思を伝達するだけでなく、相手の反応に対してプラスアルファの情報を付け加えて会話を広げられるようになり、言葉の壁を越えて心を通わせる喜びを感じることができた。

剣道を通して伝えた日本文化の魅力

この挑戦を最も活かすことができたのが、地域交流イベント「Artwalk」での日本文化紹介の実践である。私は事前準備として、剣道の魅力を伝えるために、剣道着の着付け体験と剣道のルールを応用した体験型ゲームを企画した。

しかし、ブースに来てくださった現地の方々からの熱心な質問に対し、知識は十分にあるにもかかわらず、英語で即座に説明できないもどかしさを感じる場面もあった。その際、私は英文を短い文章に区切ったり、ジェスチャーを交えたり、伝えたい単語を強調するなど、工夫して伝えるようにした。

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そして、剣道が単なるスポーツではなく、「礼に始まり礼に終わる」という相手への深いリスペクトや、かつての真剣勝負をルーツとする精神性を重んじる生き方であるということが、現地の方々に伝わっていくのを実感することができた。人々の反応から、文化を伝えることの喜びを実感した。

留学経験を将来の教育実践へ生かす

今回の研修留学から帰国後、私はすぐにTOEICの学習を開始しており、現地で感じた悔しさを忘れることなく取り組んでいる。

また、中等教育教科教育に加えて、今年度から履修している初等教育指導法においても、研修留学で学んだ「生徒の主体性を引き出す環境作り」を、どのように日本の教育現場に活かし、取り入れることができるかという問いを常に持ち続けている。

来年の教育実習、そして将来の体育教育をはじめとする教育現場において、多様な価値観を認め合い、生徒が自ら感じて体験し、主体的に人生を切り拓いていけるような授業を構築できるよう努めていく。今回の留学で得た体験と知識を活かし、残りの大学生活にも全力で取り組んでいく決意である。